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Re^4: 昂坪３６０ロープウェー再開と観光地香港の魅力

まだまだ教えを乞う身でありながら、小心地滑様と避風塘様より過分なお言葉を頂戴し、大変恐縮しております。
こちらこそ、小心地滑様の慧眼と行動力に基づいたご意見と、避風塘様の常識ある直言にはいつも感服しております。

さて、香港という街については、有名レストランの福臨門の入り口にある 【富客常臨】 の四文字が香港の全てを表しているのではないでしょうか。
「お金持ちはどんどん来てね ＝ 貧乏人は来るな」 と露骨に謳うこの姿勢が、香港から観光客を遠ざける大きな要因に思えます。
小心地滑様ご指摘の高騰するホテル代しかり。
回帰前のあこぎな高料金がたたって、その後ホテル需要が大きく落ち込んだから懲りたかと思ったら、また 「四の五の言わずに黙って払え！」 になりましたね。
適正価格で提供して観光客に楽しんでもらうのではなく、自分たちが楽しい思いをする為に人の懐からできる限り掠め取ろうとするような 『さもしい行為』 が続くようだと、香港離れも止めようがないでしょう。

そしてもうひとつ、香港を魅力の 『無い』 街にしているのが、貴重な観光資源の破壊行為です。
経営者の金儲け論理を優先させるあまり、香港の庶民文化をないがしろにし、貴重な歴史遺産物を捨てようとしています。

曲線美と機能美にあふれた歴史的建築物であると同時に庶民の生活を支えた灣仔街市は、不動産業者の高級マンション建築の為、『串刺し』 の無残な姿にされようとしています。
百数十年の歴史があり香港最古の露天市場である中環の嘉咸街露天市場は、再開発の名の下に、追い払われようとしています。
広東オペラの常設小屋の北角の新光戯院は、賃貸契約満期後の仮の猶予期間を迎える２００９年以後は、ショッピングモールに改変される予定です。
飲茶にしても、観光客はワゴン車が廻ってくる香港飲茶文化を楽しむ事を望んでいるのに、手間と人件費がかかるのを厭う為、オーダーシート方式が主流になっています。

その一方で、あまり悪くは言いたくないのですが、某国の某楽園は、香港政庁が観光事業の目玉として初期投資総額の九割である２２４億５千万香港ドルの負担という破格の条件で誘致しましたが （つまり某国側は一割しか金を出していない！） 、見事にコケて、借金の利息を返すこともできない有様です。
今回の昂坪３６０再開で、政庁は早くも某楽園を含めたランタオ島の各観光施設の収益を皮算用してますが、はたしてどうなることやら。

北京や上海もすさまじい再開発を行なっていますが、それでも四合院や租界時代の建築物の再利用とか、新天地の整備とかで、その街の歴史と文化を観光の目玉にしているというのに香港は・・・・
でも明るい話題がひとつだけ。
新築マンションの住人の自家用車の出入りに邪魔だという理由で立ち退きが決定していた灣仔露天市場は、店主の奮闘とそれに共感した立法議員の努力が報われ、先週ついに市場の存続が決まりました。
８０年以上の歴史ある灣仔露天市場の価値が認められたわけです。
あとは不動産業者と政庁が、ちゃんと約束を守ってくれることを祈るばかりです。

ヨソ者が言っても詮無き事ですが、そろそろ 『発展開発』 ばかりでなく、香港本来の歴史と文化風俗を大切にした魅力ある街づくりをしてもらいたいものです。

このような公共の場で、益体の無い話を長々と連ねてしまいました。
軽く読み飛ばし下されば幸いです。

[10646]　湾仔峡道　(2007/12/20 Thu 23:02)